コラーゲンに結合する増殖因子を用いて、歯槽骨の再生促進に成功 歯周病の再生医療の可能性拡大へ

中村 心 先生の学位論文の内容が,岡山大学プレスリリースに掲載されました。

歯周組織再生療法を全ての症例に応用できるようにすることを目指して,細菌由来のコラゲナーゼから同定したCBD(collagen-binding domain;コラーゲン結合ドメイン)と増殖因子の一つである塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を組み合わせて,コラーゲンに結合できるよう改変(CB-bFGF)し,滞留性を持たせることによってその有効性を高めることを試みました。ラットの水平性骨欠損モデルを作製して,CB-bFGF をコラーゲンの粉末と共に作用させたところ,bFGF と比較して歯槽骨の再生効果が促進することを発見しました。


本研究成果を発展させるために,日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(B)(一般)「コラーゲン結合型FGF-2による水平性歯槽骨吸収に対する歯周組織再生療法の開発」が採択されました(課題番号:19H03831,代表者:高柴正悟教授,2019年度〜2022年度)。